回避型愛着スタイル、内向的、アロマンティックの用語について整理する

はじめに

自分はコミュニケーション不精で、自己開示が苦手だったりして、他人と親しくなるのがあまり得意ではない。

改善をしたいと考えていて、なぜそのような行動をとってしまうのか、そのような性質の根底には何があるのか書籍を読んだりして自己分析していた。

自分の性格について調べていくなかで自分に当てはまりそうな分類として回避型愛着スタイルや内向型、アロマンティックといった存在を知る。

それらは定義が重なる部分があり似ている部分もある。自分がそれらのどれかに部分的に該当することに気づくとそれが自分のスタイルだと誤解し続けてしまいそうだと思った。

なので用語を整理することで視野を広く保ち、自分のスタイルについて客観的に見れるようにしていきたい。

回避型愛着スタイルについて

愛着スタイルや分類について説明

以下の書籍を参考にしている。

回避性愛着障害~絆が稀薄な人たち~ (光文社新書)

他者への愛着の持ち方の違いとして愛着スタイルと表現していて、愛着スタイルには安定型と不安定型に大別できる。

不安定型をさらに分けていくと、不安型と回避型に大きく分けられる。

不安型ははとらわれ型とも呼ばれ、他者への依存度が高かったり見捨てられることへの恐れが強いという特徴がある人のことを指すらしい。

回避型は愛着軽視型とも呼ばれ、他者への依存度が逆に低かったり、他人を信用したり心を許したりすることが苦手な人のことを指すらしい。

こういった内面的な特性はたいてい明確に基準があってはっきりと分類できるものではなく、グラデーションがあったり時間が経つことで変化していったりすることもあるだろう。

そのため、不安型と回避型の両方の要素を持つ恐れ・回避型という中間の愛着スタイルもあるらしい。

恐れ・回避型は人に過剰に気を使うものの心を許したり他人を信じることができず、もっとも不安定と表現されている。

もともと学術的には回避性パーソナリティ障害や抑圧性愛着障害という定義があるらしいが、これらは社会適応に困難なレベルのものを指したり適応する範囲が狭いことから、書籍では回避性愛着障害や回避型愛着スタイルといった表現を用いている。

回避性パーソナリティ障害 - MSDマニュアル家庭版

回避型愛着スタイルの特徴

回避型は他者と親密な関係を避けるという特徴がある。

ただ、他者と全く関わりたくないというわけではなく他者と仲良くなりたいという欲求もあるそう。

しかし他者と関わることが平均的な人よりも負担になるため一人でいることを好むことが多い。

また、回避型は仕事の昇進や挑戦するような機会を避ける傾向もあるそう。

このような性質の根底には、親密な関係やそれによって発生する責任を避けたい心理があるのだそう。

学術的な分類である回避性パーソナリティの場合は傷つくことや拒否されることに敏感なためにたにんと親密になることを避けるとある。

この行動原理の違いはかなり大きいと思う。

つまり、回避型愛着スタイルは親密な関係を避けることで、結婚だとか仕事の昇進とかで発生する責任を避けたがっているということらしい。

内向的とは

以下の本を参考にしている。

内向型を強みにする

内向型、外向型の大きな違いはエネルギーを内側から得るか外側から得るかだという。

外向型の人は外の世界、つまり様々な活動や人との関わり、場所や物からエネルギーを得ている。

対して内向型は自身の中の世界、つまりアイデアや感情、印象といったものからエネルギーを得ているという。

もちろんこの性質もグラデーションがありハッキリと分けられるものではない。

外向的な人でも休息は必要だし、時と場合によっては内向的な振る舞いを見せるかもしれない。内向的な人でもたまには人と関わるだろうし、外向的な振る舞いを見せる時もあると思う。

内向型の特徴

内向型は単に非社交的であるとか、人嫌いであるというのとは違う。

外向的な人とは人との関わり方が違っていて親密で深い関係性を好むそうだ。

積極的な発言や社交的な振る舞いが少ないので人と関わることが好きではないように外からは見えるが、他人に興味がないというわけではない。

書籍では内向的な人を深く狭く、外向的な人を広く浅くと表現していた。(私はこの分類はあまり納得していないが)

アロマンティックとは

以下の本を参考にしている。

見えない性的指向 アセクシュアルのすべて――誰にも性的魅力を感じない私たちについて

アロマンティックとは恋愛指向についての分類でよくアセクシュアルと一緒に語られることがある。

セックスや性的魅力が関わらない恋愛関係を持つ人をロマンティックと分類するが、恋愛感情を持たない人のことをアロマンティックと呼ぶ。

アセクシュアル性的嗜好の分類で他人に性的魅力を感じない人のことを指す。性的魅力を感じないというだけで、自慰をしたり性欲があったり子供を欲しいと思う人もいる。

このように性的魅力と恋愛感情は切り離して考えており、例えば他人に恋愛感情も性的魅力も抱かない人はアロマンティック・アセクシュアルと呼んだり、恋愛感情はあるが性的魅力を感じない人をロマンティック・アセクシュアルと呼んだりする。

アロマンティックの特徴

前述の通り、アロマンティックは恋愛衝動や恋愛感情を持たない人のことを指す。

独身生活を好んだり、親しい友人関係で満足するような特徴がある。

ただパートナーを持つ人もいるが、パートナーとの関係性でロマンティックな要素を重視しないそう。

例えば、美的、感覚的、知的などロマンティックとは異なる価値観を魅力として感じるということだそう。

平均的ななパートナーとの関係を考えるとロマンティックだったり性的魅力が価値観に含まれると思うが、アロマンティックの場合は友情だったりそのたの価値観を重視しているというだけのことである。

これはよく考えてみれば自然なことのように思う。平均的なパートナーとの関係を考えてもロマンティックや性的魅力だけで惹かれあっているということはなく、趣味や人生観、ライフスタイルなどさまざまな価値観で惹かれあっているはずである。

アロマンティックの場合はそこに恋愛感情が含まれないだけということなのだと思う。

では自分はどうなのか?

以上を踏まえて少し自己分析してみる。

まず、自分は他人と長時間同じ空間にいることを好まない。親しくない人は当然のこととして、家族や親しい人だとしても長時間一緒にいると個室で息を吐きたくなる。

それから他人と親密になりたいという欲求は薄いと思う。

他人に対して常に警戒心を持っていて、自分の心の内を他人に開示することを避ける傾向がある。

弱みを他人に見せるべきではない、弱みを見せたら他人に攻撃されるという懸念を持っていて、弱みを突かれることできずつくことを恐れている。

他人との衝突を避ける傾向が強く、自分の意見を抑えることもある。

恋愛をしたり誰かと愛情を育むことに興味をあまり持っていない。恋愛につきまとう様々な面倒ごとを考えると恋愛をしたくないという気持ちが優ってしまう。

それでいて、他人からの評価を聞くと人並みにコミュニケーションは取れているようで、実際職場や友達づきあいの関係は悪くないと思う。

ただ、腹を割って人と話すということはあまりしていないという実感はなんとなくある。

以上のことをまとめると、人と親しくなることに向いていないし、親しくしたいという気持ちもあまりないといえる。

WillとCanのどちらの面で見ても、他人と親しくなることに向いていない。

Willが壊滅的なのは言わずもがな、Canは一般的な人付き合いはできても親密になる能力に欠けているという感じだろうか。

ただ最近は他人ともう少し親しくなれるようになった方が良いというShouldが強くなってきて、Will, Canの低さを課題として強く感じている。

この状況を改善していくとしたら、まずはWillからだろうか。とにかく人と仲良くなるという気持ちがなければCanを改善するに至らないと思う。

恋愛についてのモチベーションは薄いが、この点は無理に改善する必要はないと考えている。

アロマンティックの特徴で書いているが、アロマンティックの人は恋愛感情以外の価値観をパートナーと共有しているそうなのでこの点はパートナーの理解が得られれば恋愛のモチベーションを無理に持つ必要はないはず。

余談

以下の2冊を読んでいて気付いたことがある。

回避性愛着障害の書籍では回避型の有名人としてヘルマン・ヘッセをあげている。

また、内向型についての書籍ではヘッセの言葉が引用されていた。

見方を変えれば別の性質にもなるし、自分を単なる一つの性質でラベリングすることはできないのかなと思った。

カテゴライズをすることで自分を単純に捉えることはできるけど、真に自分を理解するためには自分をしっかりと分析することも必要ではないかと思った。

回避性愛着障害~絆が稀薄な人たち~ (光文社新書)

内向型を強みにする

まとめ

回避型愛着スタイル、内向的、アロマンティックについて調べた内容を自分なりにまとめてみた。

自分の性質を客観的に見る良い機会となった。

あまりラベリングに囚われるのもよくないが、こういった分類を足がかりにしないとなかなか自分を客観視できそうにない。

正直まだまだ自分を理解したとはいえないのでこれからもゆるゆると調べていきたい。